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鉄工系の職種として『製缶』という役割がありますが、あまり聞きなじみがなくどんな仕事内容なのかわからない方は多いでしょう。
製缶は、製品を図面通りの形にする役割を担っており、製作前の計画から工程を管理する鉄工業の脳のような存在です。
この記事では現役の製缶工である筆者が、『製缶がどのような仕事なのか紹介』すると同時に『製缶工のきついところ』や『製缶工の将来性』について解説します。製缶に興味がある方は是非参考にしてください。
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製缶とは、タンクや建設資材、船舶部品などの鉄工構造物を与えられた図面通りの形状に加工していく工程です。必要に応じて曲げや切削、ガス切断などの加工技術を駆使して製品を形にしていきます。
プラモデルを鉄で作るイメージと言えばわかりやすいでしょうか。
簡単な構造のものから時には複雑な構造の製品まで、製作前の計画段階から全容を把握し無駄なく製作するためには経験と技術が必要となります。
ちなみに、元はタンクや水槽といった缶状のものを作り上げることを製缶と呼んでいたそうですが、今では鉄工構造物を組み上げる工程を総称した呼び名となっています。
製缶を行う職人のことを製缶工と呼びます。
製缶工は、図面をもとに材料を切断・曲げ・溶接などの手法を使って加工します。鉄の材質や厚さに応じて適切な工具や機械を選定し、最適な加工方法で構造物を作り上げる様はまさにプロと言えます。
場合によっては100ミリ以上ある鋼板を加工することもあります。
製缶工の役割は以下の通りです。
上記は製缶工である僕が行っている工程です。それぞれ説明します。
いきなり製品を作り始めるというわけではなく、まずは図面をもとに計画を立てます。
といった感じです。
場合によっては図面が無く、設計から行うこともあります。いずれにせよ上記のような計画を立てるには十分な知識と経験が必要なため、経験が浅いうちは先輩や上司がこの工程を代行してくれるでしょう。
新人の頃はまず図面の読み方から教育されました。
計画が完了した後は、製品に必要な鋼材の準備です。鋼板・鋼管・型鋼など必要な鋼材が在庫にあるか確認します。
在庫が間に合えばそのまま製作を進めますが、足りない場合は業者へ発注します。発注業務は多くの会社が専任者を設置しているはずなので、その人へ繋ぎましょう。
会社ごとに独自の在庫管理表のようなものがあると思うので、それを見れば在庫が一目瞭然です。
必要な鋼材は使用する形状や長さに切断します。鋼板は自動のガス・プラズマ・レーザーで決めた形状に切断し、鋼管や型鋼はバンドソーで使いたい長さを切断します。
切断したものを鉄工業界で部材と呼びます。
鋼板の切断方法は板厚や材質を考慮して決定します!
切断した部材は必要に応じて以下の加工を行います。
あとは組み立てていくだけという状態にします!
これらの加工精度で組み立てがどれくらい楽になるかが決まるため、重要な工程です。
部材加工が終わればいよいよ図面の形に組み立てていきます。
精度を出すために、定盤と呼ばれる製缶の基盤へ図面の写しを書きます。これを原寸と呼び、これを基準に製品を組み立てていきます。
組み方によっては部材へ原寸を書く場合もあります。
部材同士は溶接熱を最小に抑える”仮付け溶接”で固定していき、必要であれば拘束材を使って補強します。
本溶接で以下に変形を抑えるかが肝となります。
製品の組み立てが終われば、溶接工へ渡して本溶接を行います。(会社によっては本溶接も製缶工が行います。)
溶接熱が引いたらそれ以上変形することはないため、寸法や機能を確認します。著しく変形している場合はもう一度熱と力を加え、修正します。
修正作業は鉄の性質を理解していなければ困難なため、技術が問われる作業です。
寸法精度や機能に問題がなければ記録表を作成し、客先へ問題がないことを証明して納品です。
製缶と似ている作業として認知されているのが溶接です。それぞれは密接な関係にありますが、根本的に作業内容が違います。
どちらもものづくりにおいて欠かせない工程です!
製缶と溶接の違いについて詳しく知りたい方は製缶と溶接の違いは?それぞれの役割と必要な能力をプロが解説!をご覧ください。
製缶業は、自動車の部品から工業用機械、建築構造物、石油やガスのタンク、さらには船舶や航空機など、多岐にわたる鉄工構造物を製作しています。
鉄でできた構造物はほとんどが製缶工が手掛けたものです!
顧客によってどれかに特化して製作していることが多いため、作るものは勤める会社によって違うでしょう。
鉄工所で作っているものの一例を鉄工所とはどんな仕事?きついことや向いている人を経験12年のプロが解説!で紹介しているので興味がある方はこちらもご覧ください。
製缶加工と似ている仕事で板金加工という仕事があります。
どちらも金属を加工する仕事ですが、これらには明確な違いがあります。以下の表に違いをまとめました。
製缶加工 | 板金加工 | |
加工する鉄の厚み | 薄いもの~厚いものまで全般 | 極薄 |
使用される機械・工具 | プレス機、溶接機、切削機など | プレス機、パンチ、ヤスリなど |
加工方法 | 曲げ、切断、溶接など | 曲げ、切削、パンチング、溶接など |
製品の用途 | 建築構造、工業機械、タンクなど | 車体外装、電子機器の筐体など |
製缶加工と板金加工は似ているようで違います。製缶加工は主に大型の構造物や部品を作るのに対し、板金加工は薄い金属板を曲げたり切ったりして小さな部品や外装を作ることに特化しています。
異なる技術と知識が求められます。
製缶工の仕事は体を使うことが多いため、人によってはきついと感じるでしょう。作業によっては環境も悪いです。
僕が12年間製缶工をやってきてきついと感じることは以下の2点です。
それぞれ説明します。
製缶工は製作前の計画から製作中の状況変化への対応など、処理能力が求められる仕事です。
複数の案件を掛け持ちする時もあります…!
そういう点では溶接工に比べて頭を使う場面が多いと言えます(溶接工が全く頭を使わないわけではありません)
とはいえ経験を積めば慣れてくるので、そこまで心配に感じる必要もありません。
その分やりがいもあります!
製缶工は計画・進捗・完成後の品質まで全ての工程を管理するため、なにかトラブルがあれば対応に関しても当然製缶工が行います。
溶接工の作業範囲でも対応策は製缶工が考えます。
案件に対する責任が大きいため、神経を尖らせる場面も多いことから精神的に疲れることもあります。
その分仕事を成し遂げたときの功績も大きく、昇格しやすい傾向にありますよ!
この他にも、製缶工も含め鉄工所の仕事に共通するきつい点もあります。鉄工所とはどんな仕事?きついことや向いている人を経験12年のプロが解説!では鉄工所で12年間働いていてきついと感じていることを紹介しているので参考にしてください。
製缶工はどちらかというと昔からある古い仕事というイメージを持つ人が少なくありません。AIの発達で急速な変化を見せている現代社会において、製缶工の今後がどうなるのか気になりますよね。
個人的には製缶工は今後も需要がある仕事だと思っています。
上記の理由から、製缶工はこれからも需要のある仕事です。
技術の進化に伴って仕事内容に変化があるかもしれませんが、職人達の技術が必要であることは変わらないと思っています。
製缶工に興味がある方は安心して業界に参入してください。
製缶工として12年間仕事をしている僕がやりがいを感じていることは以下の3点です。
それぞれ説明します。
製缶工は図面の情報をもとに1からひとつの製品を作り上げる仕事です。
例えば何ページにも及ぶ複雑な図面を少しずつ理解し、それを形にしたときの達成感はなんとも言えない心地よさがあります。
僕は30ページほどの図面の製品を担当したことがあります…!難しい仕事ほど自信に繋がります!
製品を作る際に基本的な手順はあるものの、自分のアイデアで仕事を進めていけるのは製缶工の醍醐味と言えます。
いかに品質を保ちながら早く製作するか、試行錯誤するのは楽しいです。時には「その手があったか」と上司に褒められることもあります。
最新的に形になれば誰も文句は言いません!
前述したように、製缶工は自動車の部品から工業用機械、建築構造物、石油やガスのタンク、さらには船舶や航空機など、多岐にわたる鉄工構造物を製作しています。
これらは全て世の中になくてはならない重要な設備です。
決して目立ちはしませんが、「陰ながら世の中を支えているんだ」という誇りを感じられるため、仕事に精を出せます。
製缶工の仕事内容などを紹介しました。
製缶工は、図面をもとに材料を切断・曲げ・溶接などの手法を使って加工する仕事です。
鉄工構造物を作るにあたって脳のような存在で、やりがいを感じられるでしょう。
興味のある方は是非求人サイトで製缶工の仕事を探してみてください。
今回は以上です。